トイレと出会わぬ人類はいない
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トイレの音消しで有名なのが「音姫」。
この「音姫」、男性用トイレでは、まずお目にかかることが無いレアアイテムです。
トイレ用擬音装置 音姫
「あなたの気づかいが地球の水を守ります」と節水を呼びかけるステッカーが、
音姫専用取り付けプレートに貼ってあります。
伝説によれば、一般的に女性用トイレでよく見られるノーマルアイテムであり、男性がその存在を目にする、または使用できる機会に恵まれるとすれば、
オフィスやデパートなどの商業ビル、公民館などの公共施設にある多目的トイレに限られるでしょう。
その使用法は至極簡単。
黒いセンター部分に手をかざすと、トイレを流した時の水流音がスピーカーから25秒間流れます。
音を止めたい時は、センサーの下にあるボタンを押せばピタッと万事解決です。
この音姫。
値段はけっこう張るものでして、
もちろんその理由は値段の高さのみならず、利用目的が限定されているからでもあります。
音姫による“音消し”の目的は、トイレで用を足す時にどうしても発生してしまうインパクト音を消すためのもの。つまりは他人の耳に聞こえてしまうであろう音を擬似的な水流音でかき消す――誤魔化すためなのは皆様もご存知の通りです。
家のトイレで用を足すとき、音を誤魔化す必要性を感じる人はそうはいません。
同じ釜の飯を食って、同じ臭いトイレに入る家族同士ですから、外のトイレで感じる程の配慮や遠慮など必要ないわけです。
ご家庭での普及率は無いに等しいのに、公共のニーズから音姫はある意味売れ筋の商品となったといえるでしょう。
実用的なシャワートイレへの憧れや興味とは異なり、日本以外の外国の人は見向きもしない商品です。
なぜ日本において、外国人から「日本人は気にしすぎだ」と呼ばれるこの商品が売れたのかについては、日本特有の“恥”の文化が関係しているという話もあります。
“他人に聞かれては恥ずかしい”という気持ち。
“他人が嫌に思うような行為をしては恥である”という心持ち。
ゆえに過去、昔においては、「用を足すときは、水を流しながらするのがマナー」という考えが、社会的に当たり前の地位を獲得してしまい、それに倣い育った 昭和世代の方々の中には、水を流さないで用を足す人に対し、嫌悪感を隠さずにはいられないという、そういう人も少なからずいるようです。
こういった音を水で掻き消すという行為は、昔から“水の無駄”と非難され論議が重ねられてきましたが、水を音消しに利用する人間の心情に訴えるには及びませんでした。
なぜならです。
言われなくとも“水の無駄”であるという事ぐらい、彼らも重々承知しているからです。自ら理解した上で“水を無駄”にしているわけですから、あらためて他人から諭されても納得する事などなく、説得されたからと言って“音消し”を止める可能性はほぼありません。
そういった“社会上のマナー”と“水の無駄”というせめぎ合いの隙間に見出されたアイデアが、音姫という水を使わない音消し機械を生んだわけです。
当初の音姫は、その音消しに音楽を奏でていたといいます。
トイレに響く、クラッシク音楽のメロディを想像してみてください。
これはもう違和感バリバリです。
例えば、ベートーベンの運命がジャジャジャジャーン!!と個室の中から聞こえて来たらどうでしょう?
“ウン”命だけに、その選曲かよ・・・・・・
と外の人も中の人もなんだかとっても悲しくなります。
中の人は恥を忍んでの音消しです。
スルーして欲しいところにわざわざの音楽。これではわざわざ外の人の注意を自ら引きつけているようなもの。
音消しに人一倍気をかけるぐらい周りを気にする――自分を気にする人間にとって、これは最大の苦行となるのです。
その空気の読めなさっぷりに当然セールスは大失敗。
音姫は歴史の影に埋もれて消え行く運命かと思いきやです。
あきらめを知らない開発人は発想の原点に立ち返り、その音消しのための音源を見直します。
“フラッシュバルブを捻った時に生じる水流音”
もともと音消しに使用していた排水音。
つまりトイレで誰もが耳にするお馴染みの水の音に変えたわけです。
音消しに使われる大量の水を節約するために、水の擬音でその気にさせる。
ミソはこの水音が“排水”のためか、それとも“音消し”のためなのか、外の人にはわからないだろうと、中の人に納得してもらうことにあります。
当初は頭ごなしにバカにさ・・・・・・いえ、否定された音姫は、「まぁ、これなら試しに・・・・・・」とようやく徐々に売れ始め、今日に見る普及さ加減に至るわけです。
しかし音姫による音消しに不安や疑念を感じる人はいまだ多いものです。
彼ら懐疑派は「所詮、機械的に合成された擬音」として、音姫にその価値を見出してなどいません。
同じ水音でも機械音では本物の水流音には似ても似つかず、用を足す音が別の音として耳にしっかり聞こえてくると彼らはその不満を訴えます。
ただこの不満は音姫の設置場所が関係しているかもしれません。
消したい音は便器の内側、お尻の下で発生するのに、壁に設置されている音姫の音は別の場所、耳のある高さから聞こえてきます。
つまり音の発生場所がそもそも違うわけです。
耳元で鳴るウルサイ音とは別に、利用者の耳は消したいはずの音をしっかりと聞き分けてしまい、彼らはこの機械に不安を覚えてしまいます。
しかし最近の音姫は、壁掛けタイプのモノだけではありません。
シャワートイレの音姫 FLUSHING SOUND
シャワートイレに付属するタイプの音姫(TOTO)です。
リモコンに内蔵されたスピーカーから“穴があったら入りたい”ほどの流水音が室内に響きます。
その音の響き方といったらアンタ、
水鳥の羽ばたく音を耳に“敵襲だあぁーーっ!”と勘違いして逃げ出した平家軍なみに浮き足立ちますね。
私が利用した音姫装備のシャワートイレは、音量ボタンがついていないタイプだったので焦りましたよ。
壁掛けタイプと違って、音を止めるボタンが見当たらないもんですからね。
音をどうにか静めようと、必死に水量ツマミをクルクル回しましたのは良い思い出です。
音量ボタン付き音姫 IN シャワートイレ
便座と同じ高さから音が流れるこのタイプの音姫なら、壁掛けタイプの音姫に対して不満を持つ利用者の何割かにも納得してもらえるかも知れません。
しかしそう言ってもです。
音姫を利用すること事態が「恥ずかしい」と周りを気にする人もいますので、音姫が日本人特有のこの“マナー”を完全に撲滅することはできないでしょう。
なにせ利用者一人一人が持つ、個人の心の内側の問題ですからね。
簡単に割り切れるような単純な問題ではないわけです。
流水音(INAX) 別メーカーのシャワートイレだと名称が違う(※音姫は商標だからね)
さて、
この記事の冒頭でも述べたことですが、男性トイレには「音姫」はまずありません。
では男性は、トイレでの“音消し”を行わないのでしょうか?
いいえ。
男性の中にも“水を流す”人が少なからずいるのです。
その理由は幾つかありまして、
【1】 音消し
【2】 臭い消し
【3】 汚れへの恐怖
の三つが主なものとなるでしょう。
【1】の音消しは単純な話。
主に男性は“大きい”方で個室トイレを使用しますので、
水面とのインパクト音を消したいというよりは、
放屁の音など、排泄時にまつわるもろもろの不快音を消したいという考えです。
これは個室の外の人に音を聞かせたくないと考える人のほかに、自分が聞きたくないという理由もあります。
【2】の臭い消しも話は単純です。
排泄した“大きい”モノから発生する臭いを消すため、音消し以外にも水を使用します。
臭いの発生源が無くなれば、発生する臭いも抑えられるという考え方です。
これも【1】と同様の理由、個室の外の人を気にしての行為です。
ただ【2】については利用中のみならず、
自分の後にトイレに入る人のことを考えて水を流す人もいるようです。
これは後から利用する人に、不快な臭いを嗅がせたくないという心理。つまり、トイレに残った臭いにより自分がどう見られてしまうかを気にする人に多いようですが、
中には“自分が嗅ぎたくないので”という方も少なからずおられるようです。
【3】について簡単に言えば、“流れないモノ”への恐怖の一言に尽きます。
いったん座礁・着底したブツの中には、頑固に流れない一騎当千のつわものが現われることが稀にあります。
人間自体のコンディションにも大きく左右されますが、便器の材質や構造、状態によっても左右され、水流の勢いが弱いトイレだと目も当てられない状況に陥ります。
まるで怒ったオームの群れも避けて通るが如く、流れる水流は見事なまでにその脇を抜けて行くのです。
そこでタイミング良く水流を流し、怒涛のタイダルウェーブ攻撃でブツを押し流す。
これは上からの落下エネルギーに対して横からエネルギーの塊をぶつけ、その勢いで着底前にブツを押し流すという戦法です。
この戦法は、便器にこびり付く小さな汚れに対してもその有効性が期待されているようです。
こういった恐怖、恐れを回避する手段、想定される面倒ごとへの事前の対処として水が流されるわけです。
こうした【1】と【2】と【3】――音、臭い、汚れという三つの理由が利用者の心理にそれぞれ絡み合って存在しているため、“音姫”の存在一つだけでは、“水資源浪費行為”の減少に貢献はしても、決して撲滅にはつながらないのです。
【2】や【3】を気にする人の中には、公共のトイレのみならずご家庭のトイレでも水を流す人がおられるようですしね。
「DS-5 シャワーロボ」 トイレの自動水洗を兼ねた流水音(※音姫は商標ですので)装置
ちなみに、
日本の降雨量は確かに相当なものなのですが、
その多くが蒸発したり、あっという間に川の流れにのって速やかに海に流れて消えてしまうため、
雨水全体の量の約12~15%が利用可能な水資源といわれています。
川は山の栄養を海へ送るための重要なパイプラインでもありますから、ただ単純にダムを作ればいいというお話しでもありません。
水は石油や鉱物資源に代わる次世代の戦争の火種ともいわれています。
水資源の浪費を考えるなら、“音消しに水を流す”人々の意識に訴えるばかりではなく、低地・平野部に降る雨水の貯蔵・処理施設の開発など、さらなる水資源の確保方法の確立。
公共施設等のトイレによくある、汚水の再処理・再利用による水洗設備の設置が今後重要となるでしょう。
音姫の設置により節約される水道代は、大手企業や公共施設などで年間数百万から数千万円にもなるといいますから、ご家庭の無駄な排水でどれぐらいの水道料 金が発生しているのか、エコのためというよりは自分の財布を潤すための皮算用程度に、この夏想いを馳せてみてはいかがでしょうか?
上のトイレ。
一見すると、音姫(※取りあえずそう呼びます)の無いトイレに見えますが、
実はコレ。
自動水洗用のセンサーかと思いきや、
流水音(※音姫は商標ですって)用のセンサー部。
隠れたトイレブランドのKIMURA
トイレに腰をかけると反応し、
有線でつながった上の自動水洗装置をスピーカーにして流水音を流します。
このほか、
本来は“音消し”を目的としたものではありませんが、場合によっては“音消し”の用に堪えるものもあります。
例えばスーパーなどの商業施設の店内放送です。
従業員の呼び出しや連絡に使われる店内放送は通常、店のテーマ音楽など、常時何らかのBGMを流しています。こういった店内放送のトイレでの利用は、“音 消し”がメインというよりは、静けさの緩和、利用者の心理的リラックスが主な目的ですが、天井が低く幅も無いトイレ前の廊下や多目的トイレの中では、その 効果はそれなりに期待できるものです。
ちなみにイトーヨーカドーの多目的トイレでは、店内放送を利用せずに、小川のせせらぎと小鳥のさえずりを室内のスピーカーから流し、半密閉化された多目的トイレ内の静けさ・孤独感から来る精神的な居た堪れなさを緩和します。
この「音姫」、男性用トイレでは、まずお目にかかることが無いレアアイテムです。
トイレ用擬音装置 音姫
「あなたの気づかいが地球の水を守ります」と節水を呼びかけるステッカーが、
音姫専用取り付けプレートに貼ってあります。
伝説によれば、一般的に女性用トイレでよく見られるノーマルアイテムであり、男性がその存在を目にする、または使用できる機会に恵まれるとすれば、
オフィスやデパートなどの商業ビル、公民館などの公共施設にある多目的トイレに限られるでしょう。
その使用法は至極簡単。
黒いセンター部分に手をかざすと、トイレを流した時の水流音がスピーカーから25秒間流れます。
音を止めたい時は、センサーの下にあるボタンを押せばピタッと万事解決です。
この音姫。
値段はけっこう張るものでして、
音姫(埋め込みタイプ)
価格は10000円を軽く越え、決してリーズナブルなモノとは言えないでしょうね。
音を出すだけの装置に一万円以上は出せない、少なくともご家庭のトイレでコレを使おうと思い購入する人は少ないかと思います。
家のトイレで用を足すとき、音を誤魔化す必要性を感じる人はそうはいません。
同じ釜の飯を食って、同じ臭いトイレに入る家族同士ですから、外のトイレで感じる程の配慮や遠慮など必要ないわけです。
ご家庭での普及率は無いに等しいのに、公共のニーズから音姫はある意味売れ筋の商品となったといえるでしょう。
実用的なシャワートイレへの憧れや興味とは異なり、日本以外の外国の人は見向きもしない商品です。
なぜ日本において、外国人から「日本人は気にしすぎだ」と呼ばれるこの商品が売れたのかについては、日本特有の“恥”の文化が関係しているという話もあります。
“他人に聞かれては恥ずかしい”という気持ち。
“他人が嫌に思うような行為をしては恥である”という心持ち。
ゆえに過去、昔においては、「用を足すときは、水を流しながらするのがマナー」という考えが、社会的に当たり前の地位を獲得してしまい、それに倣い育った 昭和世代の方々の中には、水を流さないで用を足す人に対し、嫌悪感を隠さずにはいられないという、そういう人も少なからずいるようです。
こういった音を水で掻き消すという行為は、昔から“水の無駄”と非難され論議が重ねられてきましたが、水を音消しに利用する人間の心情に訴えるには及びませんでした。
なぜならです。
言われなくとも“水の無駄”であるという事ぐらい、彼らも重々承知しているからです。自ら理解した上で“水を無駄”にしているわけですから、あらためて他人から諭されても納得する事などなく、説得されたからと言って“音消し”を止める可能性はほぼありません。
そういった“社会上のマナー”と“水の無駄”というせめぎ合いの隙間に見出されたアイデアが、音姫という水を使わない音消し機械を生んだわけです。
当初の音姫は、その音消しに音楽を奏でていたといいます。
トイレに響く、クラッシク音楽のメロディを想像してみてください。
これはもう違和感バリバリです。
例えば、ベートーベンの運命がジャジャジャジャーン!!と個室の中から聞こえて来たらどうでしょう?
“ウン”命だけに、その選曲かよ・・・・・・
と外の人も中の人もなんだかとっても悲しくなります。
中の人は恥を忍んでの音消しです。
スルーして欲しいところにわざわざの音楽。これではわざわざ外の人の注意を自ら引きつけているようなもの。
音消しに人一倍気をかけるぐらい周りを気にする――自分を気にする人間にとって、これは最大の苦行となるのです。
その空気の読めなさっぷりに当然セールスは大失敗。
音姫は歴史の影に埋もれて消え行く運命かと思いきやです。
あきらめを知らない開発人は発想の原点に立ち返り、その音消しのための音源を見直します。
“フラッシュバルブを捻った時に生じる水流音”
もともと音消しに使用していた排水音。
つまりトイレで誰もが耳にするお馴染みの水の音に変えたわけです。
音消しに使われる大量の水を節約するために、水の擬音でその気にさせる。
ミソはこの水音が“排水”のためか、それとも“音消し”のためなのか、外の人にはわからないだろうと、中の人に納得してもらうことにあります。
当初は頭ごなしにバカにさ・・・・・・いえ、否定された音姫は、「まぁ、これなら試しに・・・・・・」とようやく徐々に売れ始め、今日に見る普及さ加減に至るわけです。
しかし音姫による音消しに不安や疑念を感じる人はいまだ多いものです。
彼ら懐疑派は「所詮、機械的に合成された擬音」として、音姫にその価値を見出してなどいません。
同じ水音でも機械音では本物の水流音には似ても似つかず、用を足す音が別の音として耳にしっかり聞こえてくると彼らはその不満を訴えます。
ただこの不満は音姫の設置場所が関係しているかもしれません。
消したい音は便器の内側、お尻の下で発生するのに、壁に設置されている音姫の音は別の場所、耳のある高さから聞こえてきます。
つまり音の発生場所がそもそも違うわけです。
耳元で鳴るウルサイ音とは別に、利用者の耳は消したいはずの音をしっかりと聞き分けてしまい、彼らはこの機械に不安を覚えてしまいます。
しかし最近の音姫は、壁掛けタイプのモノだけではありません。
シャワートイレの音姫 FLUSHING SOUND
シャワートイレに付属するタイプの音姫(TOTO)です。
リモコンに内蔵されたスピーカーから“穴があったら入りたい”ほどの流水音が室内に響きます。
その音の響き方といったらアンタ、
水鳥の羽ばたく音を耳に“敵襲だあぁーーっ!”と勘違いして逃げ出した平家軍なみに浮き足立ちますね。
私が利用した音姫装備のシャワートイレは、音量ボタンがついていないタイプだったので焦りましたよ。
壁掛けタイプと違って、音を止めるボタンが見当たらないもんですからね。
音をどうにか静めようと、必死に水量ツマミをクルクル回しましたのは良い思い出です。
音量ボタン付き音姫 IN シャワートイレ
便座と同じ高さから音が流れるこのタイプの音姫なら、壁掛けタイプの音姫に対して不満を持つ利用者の何割かにも納得してもらえるかも知れません。
しかしそう言ってもです。
音姫を利用すること事態が「恥ずかしい」と周りを気にする人もいますので、音姫が日本人特有のこの“マナー”を完全に撲滅することはできないでしょう。
なにせ利用者一人一人が持つ、個人の心の内側の問題ですからね。
簡単に割り切れるような単純な問題ではないわけです。
流水音(INAX) 別メーカーのシャワートイレだと名称が違う(※音姫は商標だからね)
さて、
この記事の冒頭でも述べたことですが、男性トイレには「音姫」はまずありません。
では男性は、トイレでの“音消し”を行わないのでしょうか?
いいえ。
男性の中にも“水を流す”人が少なからずいるのです。
その理由は幾つかありまして、
【1】 音消し
【2】 臭い消し
【3】 汚れへの恐怖
の三つが主なものとなるでしょう。
【1】の音消しは単純な話。
主に男性は“大きい”方で個室トイレを使用しますので、
水面とのインパクト音を消したいというよりは、
放屁の音など、排泄時にまつわるもろもろの不快音を消したいという考えです。
これは個室の外の人に音を聞かせたくないと考える人のほかに、自分が聞きたくないという理由もあります。
【2】の臭い消しも話は単純です。
排泄した“大きい”モノから発生する臭いを消すため、音消し以外にも水を使用します。
臭いの発生源が無くなれば、発生する臭いも抑えられるという考え方です。
これも【1】と同様の理由、個室の外の人を気にしての行為です。
ただ【2】については利用中のみならず、
自分の後にトイレに入る人のことを考えて水を流す人もいるようです。
これは後から利用する人に、不快な臭いを嗅がせたくないという心理。つまり、トイレに残った臭いにより自分がどう見られてしまうかを気にする人に多いようですが、
中には“自分が嗅ぎたくないので”という方も少なからずおられるようです。
【3】について簡単に言えば、“流れないモノ”への恐怖の一言に尽きます。
いったん座礁・着底したブツの中には、頑固に流れない一騎当千のつわものが現われることが稀にあります。
人間自体のコンディションにも大きく左右されますが、便器の材質や構造、状態によっても左右され、水流の勢いが弱いトイレだと目も当てられない状況に陥ります。
まるで怒ったオームの群れも避けて通るが如く、流れる水流は見事なまでにその脇を抜けて行くのです。
そこでタイミング良く水流を流し、怒涛のタイダルウェーブ攻撃でブツを押し流す。
これは上からの落下エネルギーに対して横からエネルギーの塊をぶつけ、その勢いで着底前にブツを押し流すという戦法です。
この戦法は、便器にこびり付く小さな汚れに対してもその有効性が期待されているようです。
こういった恐怖、恐れを回避する手段、想定される面倒ごとへの事前の対処として水が流されるわけです。
こうした【1】と【2】と【3】――音、臭い、汚れという三つの理由が利用者の心理にそれぞれ絡み合って存在しているため、“音姫”の存在一つだけでは、“水資源浪費行為”の減少に貢献はしても、決して撲滅にはつながらないのです。
【2】や【3】を気にする人の中には、公共のトイレのみならずご家庭のトイレでも水を流す人がおられるようですしね。
「DS-5 シャワーロボ」 トイレの自動水洗を兼ねた流水音(※音姫は商標ですので)装置
ちなみに、
日本の降雨量は確かに相当なものなのですが、
その多くが蒸発したり、あっという間に川の流れにのって速やかに海に流れて消えてしまうため、
雨水全体の量の約12~15%が利用可能な水資源といわれています。
川は山の栄養を海へ送るための重要なパイプラインでもありますから、ただ単純にダムを作ればいいというお話しでもありません。
水は石油や鉱物資源に代わる次世代の戦争の火種ともいわれています。
水資源の浪費を考えるなら、“音消しに水を流す”人々の意識に訴えるばかりではなく、低地・平野部に降る雨水の貯蔵・処理施設の開発など、さらなる水資源の確保方法の確立。
公共施設等のトイレによくある、汚水の再処理・再利用による水洗設備の設置が今後重要となるでしょう。
音姫の設置により節約される水道代は、大手企業や公共施設などで年間数百万から数千万円にもなるといいますから、ご家庭の無駄な排水でどれぐらいの水道料 金が発生しているのか、エコのためというよりは自分の財布を潤すための皮算用程度に、この夏想いを馳せてみてはいかがでしょうか?
上のトイレ。
一見すると、音姫(※取りあえずそう呼びます)の無いトイレに見えますが、
実はコレ。
自動水洗用のセンサーかと思いきや、
流水音(※音姫は商標ですって)用のセンサー部。
隠れたトイレブランドのKIMURA
トイレに腰をかけると反応し、
有線でつながった上の自動水洗装置をスピーカーにして流水音を流します。
このほか、
本来は“音消し”を目的としたものではありませんが、場合によっては“音消し”の用に堪えるものもあります。
例えばスーパーなどの商業施設の店内放送です。
従業員の呼び出しや連絡に使われる店内放送は通常、店のテーマ音楽など、常時何らかのBGMを流しています。こういった店内放送のトイレでの利用は、“音 消し”がメインというよりは、静けさの緩和、利用者の心理的リラックスが主な目的ですが、天井が低く幅も無いトイレ前の廊下や多目的トイレの中では、その 効果はそれなりに期待できるものです。
ちなみにイトーヨーカドーの多目的トイレでは、店内放送を利用せずに、小川のせせらぎと小鳥のさえずりを室内のスピーカーから流し、半密閉化された多目的トイレ内の静けさ・孤独感から来る精神的な居た堪れなさを緩和します。
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性別:
非公開
職業:
トイレ探検家
自己紹介:
星の数ほどトイレはあれど、人生を通して出会えるトイレの数はとても儚く、そして少ない。トイレとは、船乗りに対する港――人生という大海原を彷徨いながら、人は必ずトイレに帰る……。安らぎを得る場所、お腹の嵐に遭遇したとき、緊急避難の場所として寄航するトイレ。そんなトイレについて駄文を書き連ねる不定期メモです。
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